Autumn '25 Collection
Studio Nicholson の創設者でありクリエイティブ・ディレクターである ニック・ウェイクマン にとって、Kettle’s Yardは「質感へのこだわり」と「考え抜かれた、けれどやり過ぎない本質的なデザイン哲学」を象徴する場所です。「私の服づくりは、常に“自然体であること”を意識しています。無理のないものづくりが大切なんです」と彼女は語ります。「どんなに優れたセットデザイナーがいても、Kettle’s Yardのような空間を再現することはできません。あの場所は演出されている感じがまったくなくて、小さな発見や立ち止まりたくなるようなポイントがたくさんある。本当に驚きに満ちた場所なんです。思わず触れたくなるようなものに自然と目がいく。Studio Nicholsonのコレクションも、そんな風に感じてもらえるように考えています」。
また、この秋コレクションのテーマについてウェイクマンは次のように語ります。「今回は“ミリタリー・ユニフォーム”というアイデアが常に中心にありました。久しぶりにヴィンテージのミリタリーウェアを研究し、それをそのままの意味で捉えるのではなく、どうモダンに落とし込むのか考えました」。カラーパレットは、Air Force blues、khaki、washed black、pewter、kelpを中心に構成されています。コレクション全体では、ソフトさとタフさの緊張感を探るStudio Nicholsonらしい“ユニフォーム”ピースが展開されます。「いつも通り“テクスチャー”が鍵になります。日本製のしわ加工を施したデニムや「パチッ」という音とシャープな手触りを生み出すノイジーコットン、柔らかさが特徴のリネンビスコースやレザーなど、素材感にこだわっています」。
このシーズン新たに登場するのが、スコットランド産の上質なメリノウールニット。SARKポロジャンパーや INVERNESS Vネックニット。これらは、継ぎ目のない「丸編み」で仕上げられています。また、ウェイクマン自身が十代の頃から愛してやまないコーデュロイへの思いも、今季のコレクションにしっかり反映されています。「特に細いうねりの“ニードルコール”が好きなんです。コーデュロイって、使い込むほどに味が出て、すり減った感じがすごく美しいんです」と彼女は語ります。今回、RISOパンツには、グリーンの生地を後染めしてブラックに仕上げた特別バージョンが登場しました。メンズでは、レザーのコントラストカラーが際立つREVEREミッドカフトレンチコートやDANIジャケット（col.parcel,washed black）も登場。ウェイクマンお気に入りの素材、ノイジーコットンも今季再登場。メンズではYALEプリーツフロントパンツ（col.boulder）が、レディースでは初めてトップスやドレスとして展開。たとえば、COVER トップやIKELAドレス（col.reed）、足首にスリットを入れたMITRAパンツなどがあります。
ウェイクマンが注目している新作は、ロンドンの新店舗にちなんで名付けられたパンツ、MARYLEBONEジーンズ。「形がとてもユニークなんです。股上がかなり深くて（ジップは18cm）、ヒップ周りはとてもゆったりしているのに、足は細め。すごく面白いシルエットになります」。また、DISTRICTジャケットとSEBパンツのセットアップは、日本製のしわ加工デニムで仕立てられています。
さらに、新作パンツとしては、FELLINI（ワイド＆クロップド）と、ウエストベルト付きのNASSER（ワイドからテーパードのシルエット）が、ソフトヴィンテージツイルという柔らかな手触りが特徴の素材で登場。
レディースでは、ARLESビスチェトップ（タンブル加工のダブルコットン素材）、SIMOSドレス、ROUENシャツ（クラッシュ加工のビスコース）もハイライト。メンズでは、KARSTシャツとLINEパンツが軽さの特徴なテックウールでエレガントに仕立てられています。
シューズでは、人気のMOONシューズがレディースで再登場。さらに、ユニセックスでKORINEと、クラシックなデザートブーツをアップデートしたWOODROWが新たにラインナップ（どちらもスエードとディアスキンで展開）。バッグ類では、DOUBLET、SHIBORU、AIRPORT各モデルがキャンペーンビジュアルに登場し、PYTHAGORASメリノリブスカーフ＆ハットと共に紹介されています。
2025年秋コレクションは、現在公式オンラインサイトおよび直営店発売中です。
ウィメンズとメンズの最新コレクションをぜひご覧ください。
写真：Luna Conte
