Autumn'26 Collection
「ある服には、それがメンズであってもウィメンズであっても、映画のワンシーンのようでありながら、同時に驚くほど現実的に感じられる瞬間があります。」そう語るのは、STUDIO NICHOLSONの創設者兼クリエイティブディレクター、ニック・ウェイクマン。彼女が袖を通すのは、マスタードカラーのユニセックススエードジャケット BOWE。2026年秋コレクションの新作となるこのジャケットは、しなやかな天然シボ革を使用し、クラシックなシャツカラーを備えた一着です。ウェイクマンらしいタイムレスなデザインは、写真家スタニスラス・モッツ=ナイダートによって、1960年代モダニズム建築が美しく保存された邸宅を舞台に撮影され、今シーズンのキャンペーンを象徴する存在となっています。
今シーズンの重要なインスピレーションとなったのは、アン・リー監督による映画『アイス・ストーム』。1970年代初頭を舞台に、1990年代に制作された群像劇であり、その卓越した衣装の数々は、ウェイクマンが繰り返し立ち返る作品のひとつです。また、ジョージア出身のデザイナー、ケティ・トロライアの作品や、装飾を抑えながらも洗練された彼女のパリの住まいも着想源となりました。さらに、アッパー・イースト・サイドとハンプトンズを行き来するリー・ラジヴィルのエフォートレスなスタイル──レザージャケットやハイゲージのタートルネック、上質なレジャーウェア──、そして映画監督・詩人・作家であるピエル・パオロ・パゾリーニの、飾らないながらも完璧に構築されたワードローブも、コレクションのイメージを形づくっています。「ノスタルジアとモダニティの境界線は、とても繊細なものです。でも今回のコレクションでは、その両方の輪郭を少しだけ押し広げてみたかったのです」とウェイクマンは語ります。彼女が特に思い入れを持つのは、メンズテーラードジャケット ROVERSI。バークメランジのツートーンカラー、上質なヴァージンウール、やや高めのゴージラインが特徴で、キャンペーンではインディゴカラーのMARYLEBONE ジーンズと合わせてスタイリングされています。「このジャケットはジーンズとの相性が本当に素晴らしいんです。今年は1970年代へのオマージュが随所に散りばめられています。」
BOWEに加え、今シーズンはもうひとつのユニセックスアウターとして LANDAU も登場します。着込んだような風合いを持つチェスナットカラーのレザーブレザーで、スリムなシルエットが特徴。1990年代のミラノを思わせるムードをまとっています。ウィメンズでは、新作ジャケットLURIEが登場。ブラウンメランジのウールコットンツイルを使用し、レザーのアンダーカラーやスロートラッチ、レザーバックル付きベルトを備えたデザインは、ウェイクマンが得意とする、エレガンスと力強さを兼ね備えた一着です。「本当に実用性の高いジャケットなんです。」ウィメンズの新しいパンツでは、ユーティリティグリーンとモルトカラーで展開されるFARONが登場。ダブルコットンリネン素材を使用し、ゆとりのあるレッグライン、前後に施されたセンタープレス、裾のストラップによってテーパードシルエットへと調整できる機能性を備えています。また、バークメランジのQUARTEは、ピンタック入りのシングルプリーツを採用した新しいテーパードパンツ。美しいドレープが魅力の定番シャツROUEN とともに、上質な100%ヴァージンウールで仕立てられています。
素材使いは今シーズンもコレクション全体に豊かな表情をもたらしています。ラップスカートMELETEは、マスタードカラーのスエードで登場。一方、CHATTO パンツとELKINジャケットには、それぞれ異なるリネン混素材を採用し、季節を問わず着用できる軽やかさを実現しています。ELKINはスラブ感のある表情豊かな生地を用い、どちらのアイテムも自然な落ち感を楽しめます。スタイリングのベースとなる超軽量ニットも充実しています。EIDEは、メリノウールとシルクをブレンドしたハイゲージニットで仕立てたタートルネック。バターとトープの2色展開で、前後にはラダーステッチがアクセントとして施されています。さらに、エクストラファインメリノを使用した定番クルーネックLOENNEと、ハーフジップ仕様のMARENは、スカイ、ブラック、キャメルの3色で展開。最後に、ウィメンズのクルーネックカーディガン CALLENは、やわらかな起毛感が魅力のブラッシュドモヘア素材を採用し、キャメルとトパーズのカラーで登場します。ニットウェアでは、ユニセックスのハーフジップTAHLENにも注目です。ブラッシュドフリーススウェット素材を使用し、ファネルネック仕様で、メドウとチェスナットの深みあるカラーを展開します。メンズニットでは、カシミヤワッフルニットのヘンリーカラー CORINE 、そしてブラックとオリーブで展開される、細番手コットンリブ素材のハイラウンドネックARDA がラインナップします。メンズでは、新作トラウザー MINARDと、ヴィンテージワークウェアから着想を得たDREY ジャケットも登場。どちらも酵素加工を施したダブルコットン素材を起毛させ、モールスキンのような上質な風合いに仕上げています。
アウターウェアでは、日本製ミリタリーサテンを使用したユーティリティジャケットLINTON が新たに加わります。杢調ライニングを備えた実用的な一着です。また、定番のCROWEコートと OVER ジャケットは、ブラウンメランジのウールコットンツイルで仕立てられ、STUDIO NICHOLSONらしい、端正で洗練されたシルエットを描きます。
Shot by Stanilas Motz-Neidhart